あれ、あれ、いきなり脳卒中?




二年前、俺は素晴らしい友を持った。性別こそ違うが、喧嘩も強くてたくましくて、すげーあったかいヤツだ。そいつは今カナダに住んでいる。らしい。本人がわざわざ直接伝えに来たから本当のことなのであろうが、いやでもあいつのことだから嘘かもしれないなどと疑心暗鬼していたら、つい先日カナダから一枚の葉書が届いた。俺は嬉しくなって飛び上がった。だってあいつが「カナダ行くから」と言ったきり手紙のやりとりも、もちろん電話だったしていないのだ。あいつの久しぶりのぶっきらぼう・コミュニケーションを受け取り、すぐカナダへ飛んだ。丁度少し前にパスポートを取っておいたのだ。もちろんあいつを探すために。まあそんなことはどうでもいい。とにかく早く会いたかった。


「すごい!きれい!すずしい!!!」

カナダへ着いたのは昼間だった。あいつが迎えに来てくれるっていうから、それに甘えて空港の外で待っていた。背伸びをすると日本とは違った匂いがして気持ちが良かった。

「寝っ転がりたい...!」

ずっと座っていて足腰が疲れていたから、そう思うのも仕方ないと思ってほしい。あいつの家についたら荷物置いてどこか公園に連れて行ってもらおう。

ププッ、携帯が小さく振動した。メールが届いたようだ。開くとやはりあいつで、『空港ついた。入り口いろ。歩きでいいんだよな』と書かれていた。

「『もういるよ。歩いてお前の住んでる町見学したいな』っと」

そう送信して携帯を閉じる。あいつ、どんな格好してんだろ。またスカジャンかな。そんで黒いパンツに、オールバックかな?まあどんな服装でもいいんだけど。


さわさわと風が吹いてきた。気持ちいな、ほんとに気持ちいいや。

あいつと会ったらまずどうしようか。「久しぶり!」って抱きしめようか。そうすればあいつは照れてアッパーをしてくるだろうからそれを一歩下がってしゃがんで避けて俵担ぎしてやろう。「離せ離せ!」って怒鳴ってきたら「じゃあお前のカナダ料理食わせろよ!」って作ってもらおう。お腹が空いた。あいつの作ったご飯が食べたかったから、機内食を食べてこなかったのだ。けど一筋縄じゃあ作ってくれなそうだし、この作戦は素晴らしいものだな。ひとりでそんなことを妄想しているとオラついて歩いてくるデコあげ黒髪ショートヘアの女が前から来た。...うんうん、やっぱりスカジャンだ。赤色のやつ。そんで黒いパンツ。スニーカー。多分オールバック!やっぱりあいつは前と変わらない。ふふふ、この岸川秀人さまにはお見通しなのだよ。

「憂作!!!!!」

その姿をめがけて走っていく。あいつも気づいたようで、立ち止まった。その顔は少し大人びたが丸い目の相変わらずの童顔だった。俺は飛びつこうとした。

「うお!なんだよ」

これまた相変わらずの身軽さでひょいと避けられてしまった。...くそっ!もう一回!!

「おい、あんまりお...アタシを動かせんな。ほれ、起きちまうだろうが」
「え?」

憂作はなにやら体に巻きつけているヒモを取って、背中から---え?

「あ、やっぱり起きた。けどコイツ泣かねえんだよなあんまり。さすがアタシの分身だ」
「.........え」
「へっへー、なかなかかあいい顔してんだろ。今一歳だぜ。女の子」

ドッカーーーン!俺の中で爆発音が鳴り響いた。ふら、ふらふら。足の力が抜けていくような気がした。

「名前はな、アタシとヒ...!?おい!どうした!?ヒデ!!おい!!!!」

そのあとは完全にブラックアウト。最後に見えたのは憂作の見開かれたデカい目と、薄い水色の空と、あの赤子が指を咥えているきょとんとした表情だった。ハハ、やっぱなんで泣かねえのコイツ。やっぱり憂作の娘だから強いのか。はは、ははは......。



ミルクの独特な甘い香りを嗅ぎながら、俺は記憶を飛ばしてしまった。

あうー?という声が聞こえた気がした。



Oh Yes BigBaaaaaaaaang!!!!!!!!!!!!



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憂♀化注意

実はこの娘憂がヒデとサラダバーする前、酒に酔っ払ってやっちゃった時できた子ども。憂には記憶あるけどヒデは記憶なし。憂はヒデがセックスしたこと覚えてると思ってるし、ヒデはすっからかんに忘れてる。悪夢の始まりである。ふたりの間に愛があるかっていったらそうでもない………かな?ヒデは無意識に憂のこと好きだと思うけど。このあとイナーキーとか原作通り出てきて、「おっ!憂作そっくりだな!あとヒデにも」「お゙れ゙どごの゙ごばぢづな゙がっ゙でね゙え゙よ゙゙゙;;;;」って泣いて怒る。ヒデにも顔そっくりだからイナーキーは??ってなるけどおもしろそうだから黙ってるっていうオチ。まあ続きは書かない(書けない)であろう一品!おそまつ!!

2019.10.01.

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